ありなだ&ハナコ について幾つか




ありなだ&ハナコはギター2本とパーカッションによるアンサンブルに歌がのってくるアコースティック・ユニットです。
ライヴを聴いておられる方には既知のことであり、今回の盤を聴いて頂ければ5秒でお判り頂けることではありますが。

しかし、果たしてありなだ&ハナコはアコースティックであることにアイデンティティーがあるかと改めて考えさせられるユニットでもあるのです。

ソング・ライティングのなだのきさんとは旧知の間ですが、彼の音楽流儀・作法を培ってきた土壌はエレクトロニック(今時のエレクトロニカではありません)のバンドを中心としたものであり、その中にドノヴァンやボブ・ディランがある比率で混ざります。
また前者のバンド群の中にはアコースティック・ギターをアンサンブルに取り入れるものも少なくありませんでした。どちらかといううとこの辺の雰囲気がありなだ&ハナコから僕が感じられるのです。

ジャズやラテンのテイストも随所にあるのですが、もろにボサとかまるっきりジプシー・スウィングなどといううことはなく、あくまでありなだ&ハナコ流儀の中で「なんかちょっとラティーナの文法入ってるよね」くらいな感じです。
このオリジナリティーは日本人としてウソがない感じがしてとても良いと思います。

ギターの弦がスティールではなくパーカッションがコンガではないのもジャンル・カテゴライズ的なステレオタイプから逸らすのに一役になっているのかもしれません。

パーカッションのハナコさん(コントユニットではありません)の多岐にわたるセッション・ワークにより磨かれたドラミングはジャンベの低音とともにアンサンブルのグルーヴとボトムを支えています。
ギターのありたさんはなだのきさんとの幻の変態バンド自爆回路のメンバー。「そうそう、そうきてよ」なオブリガードや「そうなっちゃたのね」なソロ・ワークで和みとオリジナリティを添えています。

個人的な見解としては、雨振りの休日にハナレグミだと明るすぎ、ハッピーエンドだとレイドバックしすぎ、「あ、ありなだ&ハナコがちょうど良いね」です。

皆様にとってのちょっとしたお気に入りの一枚になりましたら、製作に関わった者として本望です。


                                             2018年10月7日

「スケッチ」
エンジニア・プロデューサー、他
    寺田 宏

ありなだ&ハナコ

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